障害者放送協議会　第４回著作権委員会　議事まとめ（2007年11月29日）

日時：	平成１９年１１月２９日（木）午後６時から８時
場所：	戸山サンライズ　２階　中会議室
次第	「文化審議会著作権分科会法制問題小委員会中間まとめ」に関する 意見提出について 各団体、各分野の近況について 今後の進め方 シンポジウムの開催について（2008年3月15日） その他について
資料	「法制問題小委員会」中間まとめ 中間まとめ提出意見 シンポジウムについて 法制問題小委員会議事録抜粋（第7回、第9回） 12/6放送バリアフリー学習会チラシ（参考資料）
出席者（順不同・敬称略）：	井上芳郎（ＬＤ親の会〔委員長〕）、 伊藤宣真（日盲社協〔田中徹二委員代理〕）、 小中栄一（ろうあ連盟）、 宮本一郎（ろうあ連盟）、 多田絵美子（ろうあ連盟）、 川井節夫（全難聴）、 中村英治（きょうされん）、 下出隆史（全要研）、 梅田ひろみ（全視情協）、 大嶋雄三（統一機構）、 原田潔（リハ協〔事務局〕） 森本行雄（全国聴覚障害者情報提供施設協議会〔オブザーバー〕）

■議事まとめ（案）

１．「文化審議会著作権分科会法制問題小委員会中間まとめ」に関する意見提出について

• 各団体、各分野の近況について
• 今後の進め方

• 意見提出の内容について、改めて振り返り、確認した。
• 各方面から寄せられた意見については、集約されたものが文化庁のホームページに公開され、年明けには、法制問題小委員会の報告書が完成される予定であることが紹介された。
• ろうあ連盟、日本図書館協会からも意見が出されたことが紹介された。

• 中間まとめと今後の進め方に関しては、次のような意見が出された。
  • 中間まとめを見ると、１年ほど前と比べて、前進があるように思われる。われわれの要望の成果もあるが、障害者権利条約が採択されたことも、影響しているのではないか。条約の批准までまだ時間がある。著作権問題については、議論に広がりがない。障害者団体でも、関心を持っている人は少ない。議論の裾野を広げるためにも、条約と対比しながら、課題点を分かりやすく説明していってはどうか。この委員会だけの話で終わらせてしまってはいけない。計画されているシンポジウムも活用してはどうか。課題は多いだろうが、それを障害者団体、行政、事業者等、多くの人に示していくべきではないか。
  • 権利条約の採択と併せて、テレビ放送のデジタル化まであと３年に迫り、放送通信の世界が激変していることの影響もあるのではないか。この動きに併せて、各種情報の世界が法制度においても再統合されようとしている。それでわれわれにとって良くなるのかどうか。中間まとめは前進した点はあるが、障害者の権利という、基本的な部分では譲っていないのではないか。放送内容の文字化に関していえば、デジタル化に伴い、文字放送も含めて現在行われているものの何倍も必要となってくるが、この作業が、障害者と関わりないところで進められつつあることは、問題である。
  • このほか、補償金に関することや、権利制限の対象者の範囲、字幕制作などの事業者の範囲があいまいになっていることも課題であろう。
  • 著作権の問題、放送バリアフリーの問題は、重なり合っているので、整理が必要であろう。総務省の「視聴覚障害者向け放送普及行政の指針」でも、字幕付与可能な放送番組の定義に著作権についての言及がある。
  • 中間まとめにも一部触れられているが、諸外国の法令を参考としていく作業も必要である。その国での権利条約批准との関係を見ていくのも、一つの方法であろう。
  • 現在、政府の側で、どのような動きの中で、何を検討しているのか、情報を収集できれば効果的であろう。審議会の日程の確認や、著作権課に直接コンタクトを取るなど、積極的にすべきである。
  • 放送協議会での動きと並行して、各団体での取り組みも行われると効果的ではないか。小委員会の最終報告が出る前と、改正法案（来年夏ごろか？）が出る前が、タイミングと考えられる。今後とも、各団体の動きについて、情報交換を続けたい。
  • 次回法制問題小委員会は12月に行われ、最終まとめが出される。作業は継続中である。著作権課には、元課長である吉田参事官もいらっしゃるので、再度働きかけを行ってはどうか。状況は厳しいと聞いている。

• 以上の議論を受け、下記の趣旨で、年内（できれば次回小委員会の前）に著作権課と懇談をするよう、打診することとした。この際、吉田参事官にも同席を願うこととする。
  • １）パブリックコメントの提出意見について改めて説明する
  • ２）最終まとめ、法改正の方向性について確認する
• 懇談にあたっては、意見提出の内容について、改めて委員やその所属団体内で、確認し合うこととした。

２．シンポジウムの開催について（2008年3月15日）

• これまでの議論の経緯を確認した。
• 前回のバリアフリー委員会では、次のような柱立ての整理が提案されたことが紹介された。
  テーマ：「情報バリアフリーと障害者権利条約」。（１）権利条約における情報バリアフリーの意義・意味。（２）これを阻むもの（法律、技術）。（３）今後の展望

• シンポジウムの企画については、次のような意見が出された。
  • 12月6日に全視情協、全聴情協、統一機構が開催する学習会では、参加した人が、ほかの人に著作権問題について話ができるように、基礎的な部分を充実させた。われわれのシンポジウムも、そのような方向を目指すべきではないか。
  • どのような課題、柱立てがあるのか、具体的に挙げていくべきである。
  • バリアフリーの課題と著作権の課題と、重なり合う部分もあれば、個別に検討が必要な部分もある。相互の関連性の整理とテーマ設定を十分に行うべきである。
  • みんながどんな点に疑問を持っているのか、それに基づいてテーマ設定すべきではないか。
  • バリアフリー委員会と著作権委員会と合同で企画できる場を設ける必要がある。個別の委員会で話し合っていても、結論は出ない。またその中では、これまで行われてきた、視聴覚障害の放送バリアフリーシンポジウムで蓄積されてきた経験を反映させるべきである。
  • 障害者放送協議会が主催するセミナーであれば、視聴覚障害以外のテーマが入ってくる。既存の障害種別に捕らわれないテーマ設定も考えられる。また、放送問題だけに限定されるわけではなかろう。これも踏まえて企画すべきである。
  • 総務省、文化庁と２つのパブリックコメントが出されたので、これの内容を踏まえれば、テーマ設定は自ずとできるのではないか。
  • 放送協議会が主催する事業の財源のあり方については、整理と確認が必要ではないか。今後の課題として幹事会、総会で話し合ってはどうか。

• 以上の議論を受け、セミナーを企画するための、バリアフリー委員会、著作権委員会合同の会議を開催することとした。日程は、改めて調整する。

３．その他について

• 次回委員会の開催については改めて調整を行う。

以上

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