障害者放送協議会 第2回放送・通信バリアフリー委員会 議事録(2004年9月1日)

日時: 2004年9月1日(木)午後6:30から8:30まで
場所: 戸山サンライズ2F特別会議室
出席委員(敬称略): 寺島彰、高岡正、森本行雄、伊藤宣義、河村宏、岩井和彦、中川芳子(太田代理)、 井上芳郎(著作権委員会より)、梅田ひろ子(大嶋代理・著作権委員会より)、矢澤健司(災害時情報保障委員会より)
欠席委員(敬称略): 川畑順洋、川越利信、多田薫、荒井洋、比嘉豪、清成幸仁、大久保常明、植村英晴、金子健、稲垣宏樹、阿由葉寛、丸山一郎、梅垣正宏、川田隆一
事務局: 東山文夫、原田潔、中村麻有子

議題

1.講演・意見交換

(1)「デジタル放送について」
(2)「アテネオリンピック放送について」
講師:テレビ朝日編成制作局編成部副部長・壁谷祐一郎氏
    テレビ朝日編成制作局編成部課長・池田慶介氏
オブザーバー:民放連事務局・笹田佳宏氏

2.今後の取り組みについて

(1)障害者に関わる各種放送・通信のモニタリング、必要な提言、ガイドラインの作成等
(2)障害者に関わる番組・プログラムの企画制作への支援、協力
(3)放送・通信を通しての障害者問題に関する社会啓発の推進、および優れた放送事業や番組の顕彰
(4)セミナーの開催

配布資料

1.出席委員一覧
2.第1回放送・通信バリアフリー委員会議事録
3.平成16年6月15日総会議事録
4.要望書
5.アテネオリンピック放送に関するアンケート集計結果

議事録

〔講演内容要約〕

〔質疑応答・意見交換〕

高岡/字幕放送のコスト面はクリアしているのか。
壁谷/広告媒体としてテレビを捕らえているので、余裕のある時とない時期で違う。率を増やすことと、料金が連動するのは難しい。総務省からの方針は全てではないので、制作費の中に字幕放送部分を計上しており、一定額率に応じた分ではなく、増やす作業をしている。

河村/今までのオープンキャプションから、クローズキャプションにするような動きはあるか。
壁谷/通常は「クローズド」と言っているが、すべての情報があるのはオープンで可能。
池田/デジタルになった場合は、字幕を見る装備は標準装備なのでデジタル端末が見られれば、どなたでも見ることができる。

寺島/字幕に対する評価のようなモニタリングはやっているか。
池田/特にしていない。
壁谷/リサーチQというインターネット上で意見をいただいている。

岩井/音声開設番組の計画がないということは、費用的な問題か、或いは変換技術や技術的な問題なのか。
壁谷/今のアナログでは主音声と副音声を使っている。費用面もあることはあるが、一番大きな問題ではない。
こちらの理解不足の方が大きいというのが、私個人の実感。

岩井/「問い合わせはこちら」というのではなく、電話番号を言ってほしい。
壁谷/それはそうだが、野球中継などの生放送では、「報道ステーション」は何時からと文字で出すが、それ以外は口に出すよう徹底しているつもりである。

高岡/ユーザーが何を求めているか、何から手をつけてほしいのかということをこのような場でやりとりしておかなければならないのでは。放送事業者で色々考えていただいて出されたときに、実はこっちをやってほしかったとか、こっちのほうが重要だと後でわかる。時間もお金もロスにならないように我々障害者も企画の段階で関われる仕組みが必要。また、TAOで開発した字幕の自動製作システムを活用することは考えていないのですか。
池田/TAOの方式を新たに入れてくよりも、今それぞれが導入している方式をどういうふうに効率よくするかを検討しているのが現状。
壁谷/ユーザーとの関わりは、仰る通り。どういう場でユーザーと関われるようにすることが一番リーズナブルなのか、十人十色である。

井上/NHKの「手話ニュース」や「子どもニュース」はゆっくりで、字幕がついており漢字にルビふりをされていて学習障害でもわかりやすい。番組の作りの段階で、わかりやすい工夫をしていただけると助かる。
壁谷/ニュースステーションは中学生でもわかるということをコンセプトにやってきた。民法として、フリップや模型、人形を使ったりして自分たちの伝えたいものを伝えてきた。なるべく伝えたいというのが波及して、NHKも変わってきた。データ放送、字幕放送を含めて、よりわかっていただく努力をするには、今後まだ発展途上だと思う。ただ、私共は何もしないできたわけではないことをご理解いただきたい。

梅田/手話の番組も増やしていただきたい。
壁谷/NHKはハイビジョンでも複数持っているが、私共は1波しかもっていない。NHKは視聴者ベースで予算が見えているが、私共はそうではない。手話通訳は画面を使うことになるので、主画面とバッティングしてしまう。努力していくが、前向きに検討というところまでは至らないことを申し上げたい。

東山/字幕付与可能な総放送時間は全体の何割くらい?
池田/3分の1くらい。

最後に
壁谷/どうしても民放はこういう話を聞くことが少ないので、勉強も含めて参考になった。来月会合を予定しているので、今日のご意見を抜粋して報告した。特に字幕開発にあたり、より良いヒント、アイデアという部分でこちらからお願いすることもあると思う。よろしくお願いします。

以上


<もどる>

コンテンツ

3つの専門委員会の活動