平成14年10月15日
内閣総理大臣
内閣府障害者施策推進本部長 小泉 純一郎 殿
厚生労働大臣 坂口 力 殿
総務大臣 片山 虎之助 殿
防災担当大臣 鴻池 祥肇 殿
障害者放送協議会
代表 笹川 吉彦
災害時情報保障委員会委員長 藤澤 敏孝
近年、心身に障害のある方々の生活も、国における福祉施策の充実や、本人の意識の変化により、在宅及び地域での活動へと大きく変わり、社会生活はとみにめざましいものがあります。
多くの死傷者をだした阪神淡路大震災は、犠牲者の多くが高齢者等に見られるように、いわゆる災害弱者といわれる人達であったことは記憶に新しいところであります。また、この大震災では、障害者に対して、災害の発生や安否の確認、避難誘導、避難所生活などと、その情報の提供や獲得、設備や生活維持に必要な最小限度の医薬用品の確保が成されない等の多くの課題を残しました。
申すまでもなく、非常時における迅速な避難や情報の享受、不特定多数の人達とのコミュニケーション等、その困難さは想像を絶するものがあり、被災や二次被害などの被害を受けやすい状態におかれます。
このような状態にある障害者の安全を確保するためにも、早急な対策が求められます。つきましては、下記について、対策を講じるように要望いたします。
地域の福祉施設、作業所等を活用し、障害者を含めた「障害者災害対策センター」(仮称)とネットワーク作りを進めること。
放送・通信においては、視覚障害者、聴覚障害者、LD(学習障害)者等に対して、平常時から分かり易い情報提供システムを整備すること。
日常的に携帯するクライシス・カード(連絡先、主治医、服薬情報、障害に対する配慮事項等、被災時に必要な情報を記載するもの)の作成と普及。
災害時に障害者が避難、利用できるように公共施設や医療機関等を整備し、マップ化すること。
災害時に障害者に対する救援活動を効果的に行うための、救急スタッフ等への研修や災害ボランティアの養成
障害者も利用可能な緊急時の情報発受信機器の開発に努めること
国・地方自治体の災害マニュアル作成にあたっては、企画立案の段階から障害者が参加し、障害者のための具体的な対策を策定すること。
1. 災害情報は音声情報に対する手話や字幕の付与、文字情報に対する音声の付与など、メディアを問わず、あらゆる障害者にとって理解可能な方法で伝達すること。
2. ライフラインの確保にあたっては、補聴器、向精神薬、人工透析等の障害者のニーズを満たすこと。
3. 障害者専属の災害時におけるボランティアの活用とその拠点の設置
1. 障害者のニーズを満たす復興計画の早期立ち上げ。
2. 被災時に受けた心的外傷のケアの充実
以上